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ガチの競馬ファンなので、ウマ娘に出てくる競馬ネタを集めてみた~2話

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◆◇◆あらすじ◆◇◆

急遽、1週間後のデビュー戦に出場することになったスペシャルウィーク。サイレンススズカや生徒会長のシンボリルドルフに初レースの心得を尋ねるが、緊張と不安は募るばかり。そして、初トレーニングが始まり…。

■Eclipse first, the rest nowhere.

生徒会長であるシンボリルドルフがスペシャルウィークに、トレセン学園のスクールモットー「Eclipse first, the rest nowhere.」の意味が分かるか?と尋ねるシーン。

意味は「唯一抜きん出て並ぶ者なし」

 

元ネタはエクリプスという実際馬

エクリプスは18世紀後半に活躍したイギリスの競走馬です。

馬主であるデニス・オーケリー氏がエクリプスのデビュー戦の前に次のレースの着順を予想した時に言った言葉が「Eclipse first, the rest nowhere.」です。

そしてエクリプスはデビュー戦で2着の馬に240ヤードの差をつけて圧勝しました。

当時の競馬は1着の馬に240ヤード以上の差をつけられると失格(着順にカウントされない)となるため、「エクリプス1着、他の馬はどこにもいない」という言葉通りの決着になりました。

以後、そのエピソードが由来となり「唯一抜きん出て並ぶ者なし」という意味のイギリスのことわざになりました。

当時の競馬は、現在のような1回限りの勝負ではなく、同一の組み合わせの競走馬によって複数回のレースを行い、先に2回(場合によっては3回)1着になった馬が優勝馬になるという「ヒートレース」が主流でした。※この1回のレースは「1ヒート」という単位で呼ばれていて、「デッドヒート」という言葉が誕生したのも競馬が語源となります。

 

■また負けた!と叫ぶヒシアマゾン

トウカイテイオーが学園を案内してるときに、レースに負けた鬱憤を晴らしているヒシアマゾンさんを見かけます。

校舎の屋上ではなく切り株の穴に叫ぶスタイル

 

負けたレースはどのレースか?

また負けた!と叫んでいるので、おそらく連敗した悔しさを叫んでいると思われるので、実際のヒシアマゾンが連敗したレースから探っていきます。

 

ヒシアマゾンが連敗したのは
・デビュー2戦目のプラタナス賞(2着)⇒3戦目の形成杯3歳S(2着)
・1994年の有馬記念(2着)⇒1995年の高松宮杯(5着)
・1995年のジャパンカップ(2着)⇒有馬記念(5着)1996年安田記念(10着)エリザベス杯(2位入線-7着降着)⇒ラストランとなる有馬記念(5着)

の6レースとなります。

このレースのうち、半袖を着る時期に行われるレースは高松宮杯(7月)か、安田記念(6月)のどちらかと思われます。

 

また「同じ馬に負けた」という意味だった場合をみてみましょう。

ヒシアマゾンが「同じ馬に負けた(着順が下だった)ことがあるのは、1996年安田記念(タイキブリザードの2着)のみとなりますので、安田記念が最有力といえます。

登場第一声が「また負けたぁー!」なので、あまり勝てない馬っぽい第一印象かもしれませんが、ヒシアマゾンはデビュー戦から20戦10勝/2着5回、6着以下(掲示板を外した)のはたった2戦と素晴らしい戦績を残しました。
当時の牝馬は古馬(馬の年齢で5歳以上)になると牝馬だけのレースは少なく、どうしても力の強い牡馬とのレースが避けられない時代でした。
そんな不利な条件のなかで、これだけの戦績を残したヒシアマゾンは名牝と呼ばれるにふさわしい馬だと思います。

 

■スペシャルウィークのデビュー戦出馬表

ハルウララがスペシャルウィークの出馬表が載っている新聞を持ってきました。

阪神7R右8枠14番でデビュー

 

実際のスペシャルウィークもデビュー戦は8枠14番

スペシャルウィークのデビュー戦も阪神競馬場(右周り)で芝1600mのコース、8枠14番でした。

作中の阪神競馬場のコース図は、2006年に改装された現在のコースですが、実際のスペシャルウィークが走った当時は外側のコースがなく、阪神芝1600mで8枠に入った馬は非常に不利なポジションでした。

スペシャルウィークは不利な枠だったにもかかわらず、単勝1.4倍で断トツの一番人気に推されましたが、作中では△印2つとあまり人気がないようですw。

 

■装蹄(そうてい)するスぺちゃん

明日のレースへの不安を抱えたまま、装蹄を行うスぺちゃん。

自分でやるんですね

 

装蹄は馬の生命線

実際の競走馬も蹄(ひづめ)に蹄鉄(ていてつ)と呼ばれる、蹄を消耗しないための金具を装着しています。蹄鉄は装蹄師という資格を持った職業の方が、馬一頭一頭に合わせて蹄鉄を作って装着させます。
蹄鉄を装着するときは蹄に釘で固定する方法が一般的なので、スペシャルウィークも金づちをもってるんですね。

コンマ1秒を競う競走馬の蹄鉄は非常に重要で、レース中に蹄鉄が外れてしまったりすると、それだけで大きなロスになります。
わずか8センチの差でダービー勝利を逃したサトノダイヤモンドも、レース中に落鉄がなければダービー馬だったかもしれないといわれています。

 

■育てのお母ちゃん

同室となったサイレンススズカに、日本一のウマ娘なりたいという理由、お母ちゃんとの約束、自分の原点、自分を産んでくれたお母ちゃんと育ててくれたお母ちゃん、3人の間の願いと約束を果たすためというスペちゃんの原点を語るシーンは泣けます。

わが子への思いを託す母と託される母

 

元ネタは牧場スタッフのティナさん?

スペシャルウィークは仔馬から競走馬になるまでにいた日高大洋牧場では、ティナという女性スタッフが育成担当でした。母親の愛情を知らずに育った仔馬なので、女性のほうが良いだろうという理由だったそうです。

彼女は教えれば教えるだけ成長するスペシャルウィークの賢さにほれ込み、スペシャルウィークの世話が生きがいになるほどだったといいます。

 

作中の「二人目のお母ちゃん」は金髪なので、このティナさんという方が元ネタなのではと思います。

実際のスペシャルウィークには、亡き母馬の代わりに母乳をあげた乳母馬がいました。
スペシャルウィークの母キャンペーンガールは出産後衰弱が激しく、とても授乳できる状態ではなかったため、急遽乳母馬を連れてくることになりました。

やってきた乳母馬ははじめは授乳を嫌がっていたものの、スタッフがつきっきりで慣れさせ、数日後、乳母馬が授乳を受け入れたころ、まるで我が子の無事を見届けて安心したかのように、母馬キャンペーンガールが息を引き取ったそうです。。。。

数か月経った頃には2頭は本物の親子のようになっていました。しかし少し早い離乳の時期が訪れ、今度は乳母馬と別れる時がやってきました。離れ離れになった2頭は数日間、お互いを思って鳴き続けたそうです。

実際のスペシャルウィークには「産んでくれたお母ちゃん」「お乳をくれたお母ちゃん」「競走馬になるべく育ててくれたお母ちゃん」3人いたんですね。この辺のエピソードもウマ娘の話で観てみたいなと思いました。

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