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ガチの競馬ファンなので、ウマ娘に出てくる競馬ネタを集めてみた~7話

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◆◇◆あらすじ◆◇◆

打倒リギルを目標に、チーム“スピカ”一同はトレーニングを続ける。そんななか、サイレンススズカと走りたい気持ちが膨らむスペシャルウィークは、自分の気持ちをトレーナーにぶつけようとするが…。

■スぺちゃんの菊花賞

菊花賞のため京都への遠征から戻ってきたスぺちゃん。

悔し泣きスぺちゃんの菊花賞回顧

悔し泣きをするスぺちゃん

外からスぺちゃん、内にキングヘイロー。実際の菊花賞でもこういった並びでゴールしてました。

 

1998年の菊花賞はセイウンスカイの作戦勝ち

作中でスぺちゃんは『セイウンスカイさん凄かったです。全然追いつけなかった…』と能力に差があった印象を受けますが、このレースではセイウンスカイが芸術的なレース運びで勝利した、いわば「作戦勝ち」といった内容でした。

セイウンスカイはスタート後ハナに立つと、前半1000メートルを59秒6というハイペースで進めましたが、中間の1000メートルで64秒3と一気にペースを落としスタミナを温存、2週目の坂の下りから早めのスパートを仕掛けると、最後の1000メートルを59秒3で駆け抜けて、スペシャルウィークを3馬身半離して勝利するという内容でした。

3000メートルの長丁場を逃げ切るのは至難の業であり、菊花賞の逃げ切り勝ちは38年ぶりのことでした。さらに当時3000メートルのワールドレコードをたたき出したことからも、セイウンスカイが強いこともありますが、そのうえに作戦もハマったとあっては、「勝った馬が強かった」と褒めるしかないですね。
ウマ娘ではスプリンターなキングヘイロー(3番人気)は5着にしっかり入ってますね。本編ではほとんど出番がないのにしっかり描いてあるあたり、こだわって作ってる感が伝わってきます。

逃げ馬が勝つパターンとして、前半を暴走ともいえるハイペースで走った逃げ馬が中盤にスピードを落とすと、後続馬の騎手は(馬は前の馬を追いかける習性があるので)自分の馬のペースが上がっていると思い、手綱を引いてスピードを落として逃げ馬との距離を保ちます。
逃げ馬はゴールに近づいてきたところで、温存していたスタミナを使いスピードを保ったままラストスパートをかけます。
後続馬はスパートをかけても、スタミナが残っている逃げ馬との距離をそれほど詰められず、逃げ馬はリードを保ったままゴールできることになります。1998年の菊花賞はセイウンスカイの駆け引き勝ちといえます。

 

■マルゼンスキーとグラスワンダー

スピカに勝つべくトレーニングをするリギルの面々。中でも毎日王冠でサイレンススズカに初の敗北を喫したグラスワンダーはマルゼンスキーに並走トレーニングを依頼する。

スクリーンショット解説

「併走トレーニングお願いできますか?」

「任せて!私のスピードについてこれるか試してあげるわ!」

 

グラスワンダーはマルゼンスキーの再来といわれた

グラスワンダーはデビュー戦から4連勝で朝日杯3歳ステークスを1分33秒6のレースレコードで制し、翌1998年1月に発表された年度表彰・JRA賞では最優秀3歳牡馬に選出されました。

フジテレビの実況の三宅正治アナウンサーが「マルゼンスキーの再来です!」と報じたことや、JPNクラシフィケーションの作成に当たっては、選考を務めるハンデキャッパーが、かつて2歳馬として最高評価を与えられたマルゼンスキーとの直接比較を行ったことから、間接的に縁がある2頭ということになります。

この時の格付けでは、グラスワンダーはマルゼンスキーよりも相手の層が厚いと考えられること、またマルゼンスキーには一度だけハナ差の辛勝があったことが考慮され、グラスワンダーには1ポンド上積みされた116ポンドが与えられ、事実上「JRA史上最強の2歳馬」という評価になりました。

JPNクラシフィケーションとは、現在では「JPNサラブレッドランキング」と呼ばれている通り、中央競馬(JRA)と地方競馬(NAR)の競走に出走したサラブレッド競走馬の格付けの事です。斤量とは競走馬が背負わなければならない重量で、騎手自身の体重と騎手が身に着けている勝負服やプロテクター・鞍など所定の馬具をあわせた重量となります。

 

■去年のスズカと今年のスズカはまるで別人だ…

グラスワンダーとマルゼンスキーが併走トレーニングに出た傍らでは、エルコンドルパサーがエアグルーヴとサイレンススズカについて話している。

エアグルーヴ先輩のサイレンススズカ評

エル「エアグルーヴ先輩、去年の秋の天皇賞でスズカさんに勝ってますよね?」

エアグルーヴ「天皇賞では勝ったが宝塚記念では負けた…去年のスズカと今年のスズカはまるで別人だ…」

 

サイレンススズカは覚醒して強くなった

サイレンススズカはデビューした年は9戦3勝と、勝率はよくありませんでした。しなやかで丈夫な体質だが華奢で気性面にも幼さがあり、特に気性面での問題がレースでマイナスに働くことが多く、エアグルーヴに敗れた天皇賞秋(6着)は、本馬場入場時にスタンドからの歓声を浴びた途端に激しくイレ込み、その次のマイルチャンピオンシップでは旋回癖を直そうとしたストレスのせいか、当日のパドックでも落ち着きがない状態で15着と良い結果を残せませんでした。

しかし翌年(作中でいうとサイレンススズカが登場したタイミング)からは、筋肉がついて馬格が良くなったことに加えて、それまでは本能でがむしゃらに走っていただけであったが、息を入れることを覚えたためか二の脚(逃げ馬や先行馬が直線辺りで、後から抜かされそうになった時にさらに伸びる走り方)を使えるようになるなど、肉体面だけでなく精神面でも劇的に成長したことを考えると別人(馬)のようになるという印象もわかりますね。

それまで全く走らなかった競走馬が、ふとしたきっかけで覚醒して連勝街道をバクシンするということがたまにあります。ウマ娘になっている馬で有名なのはタマモクロスで、レーススタート直後に覚醒したタマモクロスを見て「キツネにつままれたようだ」と、その馬を一番知っている調教師が言うくらい急に覚醒した例もあります。

 

■秋の天皇賞「沈黙の日曜日」

スピカ・リギルのメンバーも様々な思いを抱えて迎えた天皇賞秋。

スクリーンショット解説

1並びの天皇賞

サイレンススズカは1枠1番

1000m57秒4は毎日王冠を上回るハイペース

4コーナー手前で突然の異変

激痛に耐えながらも前へ走ろうとするが、失速していく

レースに優勝したエルコンドルパサーの表情も暗い

 

第118回天皇賞(秋)沈黙の日曜日

1998年11月1日に施行された、118回天皇賞(秋)。サイレンススズカは逃げ馬としては有利となる1枠1番を引き当て、当日の単勝支持率は61.8%、単勝オッズは1.2倍と圧倒的な一番人気に支持された。

レースはサイレンススズカが好スタートをきり、作中の実況通り序盤1000m57秒4の超ハイペースで逃げ、先頭から最後尾まで約6秒もの差がつくほど広がった。しかし4コーナーの手前で突然の失速。左前脚の手根骨粉砕骨折を発症し競走を中止しました。
サイレンススズカの故障は通常の馬なら即座に転倒してもおかしくないほどだったといいます。それでも走りたい気持ちからか、騎手を守ろうとしたのか・・・ギリギリまで倒れなかった部分も描写されてますね。
フジテレビ実況の塩原恒夫アナウンサーの「沈黙の日曜日」と発言から、サイレンススズカ最期のレースをこう呼ばれるようになりました。
このレースの勝ち馬ですが作中ではエルコンドルパサーが優勝しています。実際にはオフサイドトラップという馬が同レースを勝っているのですが、この2頭の馬主さんは同じ人なんですね。

作中でのスズカは故障発生後に意識を失い、病院で目を覚まします(生きてて良かった)。サイレンススズカにまつわる描写について、制作プロデューサーのコメントがありますので、リンクを張っておきます。
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